2018.06.04

日本福祉大学国際福祉開発学部の「現代福祉」にお声がけいただき、6/1(金)に講義を1コマ担当しました。もともとはソーシャルセクターの起業やキャリアについて、のような内容を予定していたのですが、資料を作っている内にもっと重要なテーマがあるだろう、ということに思い当たり、最終的に【ぼくたちはどう生きるか <2020年代の社会・福祉・キャリアを考える>】というテーマに変更しました。

内容は、①社会と福祉の「過去、現在、未来」、②キャリアと価値観の「過去、現在、未来」、③ぼくたちはどう生きるか、を参加型で考えていく、というもの。まだぼくも20代だし、ぼくもこの問いに答えを持っている訳ではないので、タイトルは「きみたち」ではなく「ぼくたち」としました。学生さんから見たら面倒な授業だったと思いますが、金曜の朝一にも関わらず積極的に参加してくれる人が多く、嬉しかったです。

90分の講義でいちばん伝えたかったことは、「自分を信じてね」ということでした。楽しいと感じたこと、許せないと思ったこと、どうしても苦手なこと、普段は心の奥底に押しとどめている自分の弱い声に、しっかり向き合って、すべて信じて受け入れること。キャリア選択でも社会課題解決でも経営でも、「正答のない問題に向き合って、考え抜いて、自分で新しい答えを生み出す」ことが必要なので、そのためにはロジックやデータと同時に、自分の価値観や、時に言語化できない感覚も信じることが必要だと思っています。信じた上で、間違ったり失敗したら、それを学びとして次の答えを作ればよい。自分を信じることは、「自信を持つ」のとは違うことだと思う、とも伝えた。僭越ですが。

学生さんからの感想シートも読みました。興味深い内容が多くあったので、その中でも6つだけ紹介し、ぼくなりの意見も付しておきます。

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●あなたは〜だね、と言われるのはわりと嬉しかった。

→グループ内で自己紹介をして、聞いた人がニーズカードを使って「あなたは〇〇な人だと思いました、その理由は△△です」という形で感想を返す、というワークをやりました。学生時代、正面から肯定される機会って意外に少なかったような気がするので、ニーズカードを使ってみたですが、やってよかったです。ありがとう。

 

●自己分析が足りないなと思いました。どうやったら自己分析ができるのか、どのようなタイミングで自分の本当にやりたい事が見つかるのか、を教えてほしいです。

→自己分析ツールの中だとStrengthFinderは面白かったですし、自分の場合「かなり当たってる!」と思いました。でも、実際の自分自身の経験と照らし合わせないと、本当に当たってるかどうかも分からないし、ましてや分析結果を活かすことも出来ないような気がします。なので、まずは外に出て、新しい体験や経験をたくさん積んだり、いろんな人との出会いや(深めの)交流をして、自分の感度のアンテナが何に反応するのかを確かめたりすることの方が大事と思います。

 

●生き方が分からない人や迷っている人がたくさんいると思います。このままだと後悔するのではないか、色々な生き方をしてみると時間がもったいない、という不安な気持ちがあります。自分にとって、うまく生きるために、まずは生きる目的が分かるのが大事です。

→学生のうちは時間があるので、「色々な生き方」をちょっとずつ体験するのに良い期間かなと思います。サークルとか、アルバイトとか、インターンシップとか、趣味とか、留学とか…。どんどん外に出て、体験してみて、取捨選択するのが良いんじゃないかなあ。「生きる目的」を設定できたらタフになれると思いますが、全ての人にできることではないと思うので、まずは「優先順位」くらいから始めるのが無理がないと思います。

 

●自分が興味を持っている分野の現状は知っていて、未来に対しての対策や予想は考えたりするけれど、過去についてはあまり知らなかったし調べてみることもなかったです。なので、一瞬だけれど調べることで小さな発見もあったし、さらに興味がでてきました。

→ぼくも日々、自分の活動において、過去(経緯や原因)を調べることが不足していることが多くあります。また、このことは、東海若手起業塾のブラッシュアップ研修で、起業家の方々が問われることの1つでもあります。過去を調べるのって、大事なことですよね。

 

●今の子どもたちは、物質的な豊かさや便利さの中で生活する一方で、学校での生活、家や自宅での勉強にかなりの時間を取られ、睡眠時間が必ずしも十分でないなど「ゆとり」のない忙しい生活を送っている。「夜眠れない」「イライラする」といったストレスを持っている子どももかなりいる。

→子どもにとっては「受験」が大きな時間泥棒の要因になっていると思います。時間泥棒について、詳しくはミヒャエル・エンデの「momo」を読んでね。
けれどもその一方で、受験は上記で伝えた内容のような、自分の体験や経験を豊かにしたり、価値観を磨くことには貢献しない。なので、多くの子どもたちが「大学に行ったはいいけど、何をやればいいかわからない」という状態になっている、と毛受芳高さん(一般社団法人アスバシ 代表理事)が指摘していました。

高校教育に関わっている方、大学教育に関わっている方は、ぜひ目を通してほしい内田樹先生の論説です。問題のベースは小・中学校からあるのだけど、大学に送り出す高校から、大学の劣化現象ははじまっています。その矛盾を最後に受け取る大学で、その矛盾…

毛受 芳高さんの投稿 2018年3月26日(月)

 

●私はグループで話すのが、いつ話をしていいかタイミングをずっと考えていると終わってしまうことが多いので、このことを克服したいし、本当は意見もたくさん言いたいと思うので、最後のワークショップでは、私にとっては難しかったなと思います。すぐ考えが出てこなくて、でもこれからすぐ意見も考えて言えるようにしたいです。

→うーん、その気持ち、よくわかります。ぼくも過去に、なかなか意見がまとまらず、うまく言えず、モヤモヤしたままグループワークを終えてしまったことが、たくさんあります。でも、そのモヤモヤが次につながるかもしれないので、ぜひ、大事にしてください。
ぼく自身は、グループワークの時間をもう少し長めに取ればよかった…と思っています。

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人前で話すことで考えていることが整理されたし、若い学生さんからもたくさん刺激をもらえて、楽しかったです。ありがとうございました。